1月18日に春日部のわたなべ歯科様主催のハーフ&ハーフセミナーに参加してきました。

午前中は、歯科衛生士の方を中心とした4名の方の発表、午後は歯周病予防を中心に有名な歯科衛生士石原美樹さんの「歯周治療を成功させるいくつかのヒント」のセミナーと、いとう眼科伊藤事務長との対談でした。

午前からどんな内容だったかを簡単に説明します。

内田歯科医院の藤倉さんは、歯科衛生士の観点からの「歯周病と糖尿病について」でした。歯周病に関しては、生活習慣病として、様々な病気との相関関係が実証されており、細心の注意が必要な病気です。今回のセミナーは歯周病の治療の治りの速度から、糖尿病に気づいたということを中心に発表があり、歯科衛生士として、身体の一部としての歯という視点で、全体の健康もテーマにしていかなければならない必要性を説明してくださいました。

医療として口だけではなく、患者様の健康を意識したアプローチが強まってることを痛感いたしました。

内田歯科医院の坂出さん。坂出さんは栄養士さんです。「食」をテーマに考える仕事だからこそ、食に関する最も大切な口に携わることができる「歯科医院」で働きたいと考えて、内田歯科医院を選んだそうです。その志望動機に関する栄養士としての視点にまずは驚きました。

内田歯科医院では食に関する情報を医院に健康テーブルと題して、掲示しているそうです。お菓子の油分量、ジュースの砂糖の量などを実際に目で判るように掲示してあるため、そこで、患者様にも興味を持ってもらえるそうです。特にコーラ大好きな学生へのアプローチなどは、本当に患者様目線で、聞いた学生が影響を受けた理由が分かる気がします。こういう他人に伝えて得する(自慢したいと思える)ような情報は口コミを誘発しやすくなりますので、本当に有益なアプローチだと感じました。

栄養士として、歯科医院を

・健康情報を提供する最高の場所

・継続して来院する患者様が多い

・家族での来院することが多い

・患者様とおしゃべりするチャンスがいっぱい

・みんなで患者様とサポートできる 捉えており、今後も様々な視点で、「歯科医院ならではの食育」を目指していくと思うと、非常に楽しみな事例だと感じました。

もっともっと歯科医院に栄養士が採用されることを目標にされていました。当社としても、歯科医院から患者様の得する情報を提供することで、患者様と密な関係を構築するのに必要な視点だと痛感したため、今後、栄養士の方と連動しながら、食育の視点をぜひ取り入れていきたいと感じました。

田中歯科クリニックの柳さん。自分の体験を通して、得られた事をお話して頂きました。歯科医院で働く上でのストレスや大変さなどを非常に勉強させられました。

いとう眼科の萩原さん。仕事と家庭の両立についてというテーマでした。いとう眼科は非常に元気で明るい医院づくりをされていて、お話を聞いているだけでも元気がでてきました。私は男性ですが、同じ結婚している立場として、仕事も面白いし、家庭も大切というのは非常に理解できるので勉強させて頂くことがたくさんありました。

以上が、午前中の内容ですが、女性中心の職場が多い歯科医院にとって、スタッフとの関係性や、スタッフのステップアップの難しさなどをよく耳にしているせいか、どの発表も非常に前向きに仕事をとらえ、自信を持って発表をしている姿を見て、いかに歯科医院で充実している仕事をされているかが想像でき、話を聞いているだけで元気を頂いている気がしました。

今回の4名の方の発表はテーマこそ違いますが、歯科医院のスタッフとの関係の構築において非常に多くのヒントを頂けるものだったと感じます。

午後は、石原美樹さんの「歯周治療を成功させるいくつかのヒント」でした。

当然ながら歯周病アプローチに関して、最も重要なのは、

「歯周ポケットを改善する」「歯周の進行を止める」ではありますが、本当に重要なのは「歯の健康に対する価値観を変化させる」「自分自身で守るということの認識」という言葉が非常に印象的でした。

そのため、患者さんとの説明の時間を最も重要視しているそうです。

例えば、ブラッシング指導の目標は

自己管理ができる能力を身につけてもらう

歯磨きの重要性を理解してもらう

歯磨きの効果を実感してもらう

そうするとプラークコントロールを20%前後まで維持できるそうです。

コツのひとつとしては、あまり教えすぎないことだそうです。教えすぎることで、患者様が受動的になり、患者様が能動的にならない分、身に付かないことがあるそうです。

石原さんでも説明では、媒体を利用すると話されていました。簡単だと患者様が聞き流してしまう。難しいと患者様は覚えてられないので、バランスが難しいと話されていました。

ハイリスク・ローリスクな状態をなるべき具体的に伝えていく

問題があれば、どこが問題かを判り易く伝える

患者様がみることが大事

患者様に渡すことも重要性を述べられるとともに、具体的なアプローチとしては、

・テクニックだけを初めに教え込まない

・歯周病を正しく理解してもらえることでどうすれば病気が治るかを知ってもらう

・自分の状態を把握することで自分の役割を認識してもらう

・病気を治そうとする気持ちを高めていく

と挙げられ、最終的には患者様自身が気づくための工夫を考えるのが重要とのことでした。

また、定着させるポイントとして、やり方を教え込むのではなく、病気の知識や情報を理解して頂き、患者様自身の役割や特長を認識してもらう。多くの患者様に対して色々な方向から適切なアドバイスを見つけられる観察力をつけるとのことです。

一貫して話にでてきて印象に残ったのは、目の前の治療が大切なのではなく、患者様を動かすことにしっかり趣きを置いていることでした。

歯周治療に関しては、どれだけプロフェショナルケアがしっかりとしていても、セルフケアが的確でなければ、求めている結果にはつながりません。そのため、重要なのはやっぱり患者様の意識改革だということが理解された上でアプローチをして、またそれをできる歯科衛生士をしっかりと教育していこうと考えている石原さんの考え方は、非常に勉強させられました。

説明後、石原さんと伊藤さんの対談は、もっと素敵に!仕事力アップというテーマで進められましたが、「好きなことは4倍」「嫌いなことは1/4」の力が発揮できるという言葉に非常に痛感させられました。

また「自分が楽しくないとスタッフが楽しめない」という言葉にも非常に元気をもらいました。

今回のセミナーを開催してくださったわたなべ歯科の方々には、本当に感謝の思いでいっぱいです。

これだけの発表をまとめ、また会場に来た100名以上の方が、心を動かされたセミナーを、診療をしながら実施されたわけですから、本当に素晴らしいと思います。

今回のセミナーは、非常に人と人とのつながりが重要視されていて、テクニックだけでは言い表せない人としてという部分が込められていたように感じます。

これだけ吸収できたセミナーは本当に久しぶりでした。当社のような商業的な会社の参加を許して頂き、懇親会にも声を掛けて頂いたことを感謝しています。

懇親会で様々な先生と話をする機会を頂き、本当に勉強になりましたし、当社の存在に興味を持って頂いたことに大変励みになりました。

なかなかブログに書くことができませんでしたが、本当にありがとうございました。

また、お会いできる機会を楽しみにしています。

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