予防歯科集患促進のカギは、患者様と歯科衛生士の意識改革にあるのではないでしょうか。日本の保険システムの弊害、痛くなったら行く場所歯科医院の発想から、痛くならないためにいくところへ患者様の意識を変えるのにはどのような方法が最適でしょうか。

一つ目に考えられる手段として欧米諸国の数値的データから、少しでも予防歯科の大切さを知ってもらうことが大事だと思います。

ある調査によると、日本とアメリカの一人平均の歯の数は、

65-69歳 アメリカ 18.1本 日本14.5本 70-74歳 アメリカ17.7本 日本12.7

75-80歳 アメリカ16.8本 日本 10.1本 80歳以上 アメリカ15.1本 日本9.8

全体 アメリカ17.2本 日本 12.8本 という大差になっているといいます。

日本は、残念ながら虫歯の治療でないと保険が効かないため、予防歯科に対して自費治療になり、なかなか普及されない現状があります。

逆にアメリカは、保険というシステムもないこともありますが、根の治療などに関しては、ほとんどの医院が、顕微鏡治療にて施術するため、10万円位の高額な治療になります。つまり、予防歯科で未然に防がないと費用の部分でも、大変なことになってしまうのです全く歯科に関しての発想が違うのです。

残念ながら、国の方針は大幅に変更することは考えにくいため、いかに患者様に予防歯科の有益性を知って頂くことが大切かを伝えていくことは、歯科医院、歯科業界全体で独自に取り組まなければならない大きな課題だと思います。しかしこの厳しい経営環境の中で、患者様にも大きなメリットのある予防歯科への治療は、双方向に有益な関係を築くことができる唯一の治療なのかもしれません。

二つ目の手段として、患者様にとってどれだけ予防歯科が有益かを知って頂くことではないでしょうか?

予防歯科をすることで、患者様にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

歯ブラシなどでは取れない虫歯菌の除去

フッ素塗布

(エラメル質を強化して酸を溶かしにくくします、初期虫歯を修復する再石灰化作用がああります、虫歯が酸を生産するはたらきを抑えます)

虫歯の早期発見(最近では、レジンによる接着技術の発展により、昔のように銀歯インレーに頼らず、少ない歯の削りですむ)

歯周病の早期発見

口臭予防

自分の歯で噛めることが健康に結びつく

定期的に通うことで、以前の歯の状態と比較しての健康状態を把握できる

上記のような内容を、ぜひ、患者様にしっかり伝えて頂き、患者様にとってとても有益出あることを知って頂くことが大切だと思います。今の患者様は健康志向なのと、消費に関しては、「納得」がキーワードになっていますから、その思いが通じる方は間違いなく増えていくはずです。

そのため、待合室や歯科衛生士が治療を行うユニットに予防歯科やPMTCに関する院内ポスターを貼ってみてはいかがですか?また、せっかくの国家資格者である歯科衛生士がいるにも関わらず、告知せずに虫歯菌の除去を治療をさせている医院がほとんどです。これでは患者様は、予防の大切さを知ってもらうことの機会ロスと同時に、歯科衛生士のやりがいを損失させています。歯科衛生士に名刺を持たすことで、担当制にして、患者様の口腔環境の管理を任せてはいかがですか?単純作業で歯科衛生士に虫歯菌の除去をさせても、説明がなれば、その効果は絶対に伝わらないと思います。歯科衛生士がやりがいを持って、説明しながら、治療する。そうすれば、患者様の記憶に残る内容に変わると思います。

患者様が予防歯科の大切さを理解していたとしても、定期健診のタイミングを逸してしまうことはよくあることだと思います。患者様のかかりつけ医の役割として、リコールハガキにて、再度予防歯科の大切さを再認識させながら、来院を促すことは、商業的と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、責任をもってやるべきことだと思います。

予防歯科を進める場合、プロフェショナルケアだけでは結果には到達しません。そのため、ホームページなどを使って、本来最も大切なセルフケアについてもしっかりと情報を提供するほうがいいのではないでしょうか?

歯科医院のホームページを見ていると、どうしても歯科に関する歯ブラシの仕方だったり、患者様の視点で参考になる情報が不足しているように感じます。

ぜひ、その辺も改善してみてはいかがでしょうか?

前回のブログで乗せたように魅せる医院にすることで、入りやすくすることも忘れずに心がけて頂ければと思います。

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