今後、歯科医院のマーケティングにおいて、重要な役割を果たすのが、歯科衛生士です。先日まで取り上げていた診療科目別の集患マーケティングでも重要な役割を果たしています。

例えば、インプラント。インプラントの歯科医院の選び方の女性情報誌の特集には、下記のようなポイントが書いてありました。

・症状や治療について事前に説明をしてくれる医師か

・インプラント治療の場合、口腔外科を専門とした医師か。手術室および、手術

に伴う設備があるかを確認する

・何本インプラントを埋めたことがある医師か確認する

(適応症例を選ばずにやみくもに手術する医師もいるので、必ずしも回数だけでは判断できないので注意も必要。)

・インプラントの価格が安すぎないか(4050万の適正価格)

・歯科衛生士が常勤しているか確認する

・院内が清潔に保たれているか。器具などがきちんと消毒・滅菌できているか。

・院内に自由診療の価格表を出しているか。患者の経済力に合わせた治療を

してくれる医師か。

待合室に治療や医療控除に関するパンフレットを置き、情報開示しているか。

インプラントにおいては、歯科衛生士がいるということですでに差別化が図ることができるのです。実際インプラントのブログの時にも触れましたが、インプラントの目的はインプラントを埋入することではなく、インプラントを使って楽しく食事をすることと考えたら、インプラントを手術する先生とは違い保証期間中3か月に一度チェックをしてくれる歯科衛生士の方こそが大事な役割を果たしているといえます。

また、団塊の世代を意識したときに鍵を握る歯周病に関しても、口腔内をしっかりと管理することこそが治療の中で大切な分野ですから、プロフェショナルケアなどを通して口腔内のチェックの重要な役割を果たすことができる歯科衛生士の役割はとても重要です。

もちろん、今後歯科治療において治療から予防への変革期を迎えるなかで、予防の分野では歯科衛生士こそが主役の分野だといえます。

ここ最近ではインプラント専門歯科衛生士、歯周病歯科衛生士など、専門学会の認定衛生士制度ができるなど、より充実した治療が行われるように、衛生士のレベルの底上げも行われています。

時代の流れを考えると訪問歯科診療におけても歯科衛生士が大活躍しています。中には介護士やヘルパーの免許を持っている凄腕の衛生士さんもいるようです。

しかしながらこれだけ歯科衛生士が重要視されている中で、歯科衛生士の重要と供給のバランスが完全に崩れています。

実は歯科医院のうち、約40%が歯科衛生士が不在です。全国では1診療所あたり、歯科衛生士の数は1.1名です。東京においては、わずか0.7名しかいないのです。

女性中心ということもあり、有資格者の約22万人いるうちの稼働しているのが8万人しかいない状況にあります。

歯科衛生士の数は毎年実は増加しています。年齢別にみると「25歳〜29歳」が最も多く、次いで「3034歳」です。これは復帰組と辞めないで頑張っているベテラン歯科衛生士がいるためです。実は若い年代が増えていないのが現状の課題です。歯科衛生士の国家資格の合格者は年によっては多少の増減はしますが、毎年6,800人前後です。しかし卒業後2年間の間に約2割、5年後には4割が離職してしまっているのです。この定着率の悪さを解決しないと今後、歯科衛生士の不足はますます厳しさを増すばかりだといえます。

特に今後歯科衛生士の資格が2年制から3年制に修業年数が変わります。これは専門学校を選ぶ際に、資格欲しさから検討する生徒さんにとって、敬遠される可能性も増えるため、今後の歯科衛生士のなり手がますます減る要因にもなるのです。

この現状の中で都心部を中心に金銭的な形での囲いこみも行われるようになってきており、技術力のある歯科衛生士の確保は間違いなく医院の課題となってきます。

それでは歯科医院として、上司である院長として、先生方は全く努力ができないわけではないと思います。

今後の歯科業界において歯科衛生士の価値の拡大ことがキーワードになるのではないでしょうか。

ウィキペディアによると「歯科衛生士」とは、厚生労働大臣から免許を与えられ、歯科予防処置、歯科診療補助および歯科保健指導等を行う歯科医療職(コ・メディカルコ・デンタル)と書かれています。歯科衛生士が治療の最中に歯石を取ったりする作業は国家資格で免許があるからできることだとどれくらいの方が理解しているのだろうか、歯科助手と歯科衛生士とが一緒に見えてしまっていなうでしょうか。

歯科衛生士の価値があがるように、たとえば予防歯科などの告知とともに、院内ポスターなどで歯科衛生士の説明をしてみませんか。医院にスタッフ紹介として、歯科衛生士という有資格者だとアピールしませんか?

次に、歯科衛生士の方に名刺を持たせてみませんか?患者様にしっかりと名前を伝えた上で、歯石除去などの対応をすれば、そこには患者様に対しての責任も出てきます。ゆくゆくは担当医制にして口腔内の管理がすることができれば、歯科衛生士のやりがいも増えるし、患者様の歯科衛生士の期待度も増してくると思います。

もっともっと歯科衛生士が活躍できるフィールドがある分、もっともっと輝くように見せれる努力を先生の方でもしてあげるといいと思います。そのお手伝いを当社もぜひやっていければ素晴らしいと思っています。

追伸 歯科衛生士の方がもしこのブログを見て頂いていて、医院としてこんなバックアップがあったら仕事がやりやすいなってことがあったら教えて頂ければ参考になります。

No related posts.