とても古い事例になりますが、顧客満足(Customer Satisfaction)を世の中に広げた一つの成功事例として有名なのが、スカンジナビア航空の真実の瞬間ではないでしょうか。これは、今までの企業組織がトップダウンの命令と権限の集中であることを改革し、顧客の利益を最優先するために現場に大幅な権限を委譲し、経営者としての明確なビジョンを示すと共に、リーダーシップを発揮して見事に会社を立て直した成功から、従業員が顧客に応接している時間つまり決定的瞬間=MOMENTS OF TRUTHが経営において、最も大切だとする経営戦略のことをいいます。

この経営戦略を歯科業界に流用して、大成功しているのが、隣韓国でフランチャイズとして成功を収めているYe Dental clinicである。

Ye流の場合は、医院全体の印象を決定するのは、患者と医院が出会う、つまり医療従事者が患

者と接する短い時間決定的瞬間「MOTMoment of truth」と捉えている。この発想がスタッフ

を支え、またフランチャイズ全体の意志統一を実現して、他の歯科医院に追随を許さない顧客満

足度が非常に高い歯科医院づくりに成功している。

日本でもこのような顧客志向のシステムを歯科医院に導入に成功した場合、MOT的な視点で医院での医療従事者の行動を整理し、患者様の立場に立って、院長の判断を仰がなくても、医療従事者が行動に移せるようにするのはとてもスピーディで患者様にも有益だし、医療従事者にとってもとても行動の範囲が広がり従業員満足にもつながるといえる。

そのためにはまずはじめに医療従事者が各自の判断で患者様に自信を持って、接点を持てるように「診療理念」を共有する必要性があるといえる。

また、YeDentalclinicの場合は電話受付→駐車→入口→受付→ロビー→コーディネーターとのカウンセリング→診療→主治医とカウンセリング→支払い→施設→予約とMOTと整理して、それぞれの段階でスタッフ全員が自ら感じて行動変化を起こすまで持続的に教育を行っている。

この考え方にそって、自分の医院において、患者様と医療従事者の接点にはどのような場面があるかを整理してみてはいかがでしょうか。

また、日本の場合、実際の接点ではありませんが

・先生と他の患者様と対応

・先生と医療従事者の会話

・医療従事者同士の会話などにも患者様に見られているという意識を持つことで、患者様との接点同様に注意することをお勧めします。

また、患者様との接点として最も配慮を心がけて頂きたいのが患者様からの電話の応対になります。忙しいと顔が見えない分、丁寧な対応が取れないことをたまに見かけます。

すべての接点はここから始まります。大切にして頂きたいMOTです。

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