前回に引き継ぎ、韓国で歯科医院をチェーン展開として成功を収め、注目されているYe Dental Clinicの事例から5感マーケティングのご説明をしたいと思います。

(もしYe Dental Clinicに興味のある方は日本歯科新聞社「Ye流歯科マーケティング」をお読みいただければと思います。)

Ye Dental Clinicではリピート顧客を掴むためのファン作りは、顧客の頭ではなく、「心」を動かさなければならない時代と捉え、顧客は瞬間的に商品やサービスの価値を「視覚」「聴覚」「臭覚」「味覚」「触覚」という5つの感覚すべてで判断していることに着目し、人々の5感を体系的に引きつけ捉えることができる「5感マーケティング」が非常に有益な方法だと考えています。

自費診療を中心とした歯科医院では、内装を豪華にする医院が増えています。しかし単に施設を高級化するだけでは、顧客の完成を刺激するには限界があります。顧客を中心に置き、顧客が満足を値する要素を「視覚」「聴覚」「臭覚」「味覚」「触覚」の5つに区分して、改めて院内を見直してみる必要があるのです。

人間の感覚の中で最も情報吸収率が高い部分が「視覚」です。イライラした患者様が待機する空間においては、細心の気配りをしています。ロビーの壁に、患者様の席からでも楽に見れる大きなパネルやポスターを貼ったり、患者様とスタッフが一緒に移った患者様の写真、また、各種資格証や終了証を飾っておくのもいいと思います。しかし注意して頂きたいのがメーカーから頂いたポスターをところ構わずに貼ること、これをすることで、患者様から見ると存在がうるさくなってしまい、かえって読まれなくなってしまいます。

そのため、ポスターパネルや掲示板などに集約してみてもらうことをお勧めします。

また各種資格証なども、できるだけまとめることと、パネルやアクリルのフレームなどに入れて見せるとより、効果的に見えると思います。資格証に関しては、患者様から見ると何の診療科目の認定証なのかよく判らないものが多いため、どのような内容のものかを書いておくとより患者様は理解できると思います。

さらに簡単に理解できる予防法や新しい治療法、治療前後の状態などに関する情報や医療理念、患者様の得する歯の豆知識などのパンフレットなどを製作し、備えておくのも良いと思います。

ただし、医院を訪れた患者様が嫌がる内容や血を連想させる絵や恐ろしい写真などは当然避けなければなりません。口腔内の写真などは細心の配慮が必要です。

診療室においては、とがった注射器、手術用メス、ドリルのように恐怖を誘発するものは、患者様の目に届かないところに置かなければなりませんので、注意が必要だといえます。

日本の場合は、待合室と受付の場所が一緒のところがほとんどです。最近では受付においてある物販などに関しても、スタッフのお勧めなどのPOPなどが貼って楽しく説明があったり、ショーケースに入っているところなどもあり、医院独自で工夫されているところも多く見かけられるようになった気がします。しかし狭いスペースの中でどうしても雑多になっているところも多く見かけます。この部分はぜひは配慮して頂ければと思います。

最後になりますが、個人情報が問われている中、カルテの取扱いにも医院で差があるように見受けられます。最近では内装の段階で、患者様からカルテが見えないようにする配慮するケースも出てきているようです。棚に扉をつける、棚にカーテンなどをつけるなどなど、工夫一つで隠せるはずです。カルテに関しては特に丁寧に扱うことをお勧めします。

「視覚」マーケティングは、院長を初めとしたスタッフの方の視点で気づくことも多いと思います。患者様目線で院内を見渡してみることをお勧めします。

次回は「聴覚」の視点について説明したいと思います。

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